幼いころ、うまれる前の夢をくりかえし見ていた
小さな丘の真ん中に穴があいていた
番人がひとりいた
そこでは何人もの魂が働いていた
石を拾っては、穴に投げ込む単純作業を繰り返していた
ある程度、働きが認められると穴から外へ出られる仕組みになっていた
私は好奇心を抑えきれず、穴の中に思い切って飛び込もうとした
番人はあわてて制止しようとした
「こら、おまえの番はまだはやい!勝手なことをするな!」
言う事なんてきくものか
今日は私が飛び込む番なんだ
ある日、
お母さんが、あんたは予定より早くうまれた子だったよと言った
どおりであんな夢を見たんだと腑に落ちた